海外を拠点に活躍する、世界に誇るエレクトロ日本人アーティスト

Music

国境を超え海外に拠点を移し、活動をしている日本人アーティストも多い。海外有名クラブやフェスなどでプレイするなど、目覚ましい活躍をしている。今回はワールドワイドな日本人アーティストを紹介する。

田中 フミヤ

2010年からドイツ・ベルリンを拠点にDJ/アーティストとして活動している。テクノ好きなら、言わずと知れた有名アーティストである。DJとして25年以上のキャリアを持ち、「テクノ番長」「ミニマル番長」とも呼ばれており、現在も世界のミニマルテクノシーンの最前線に立ち続け、精力的な活動をしている。

ミニマルなテクノをベースに、ダブやヒップホップの要素を取り入れた独創的な音楽。世界中のオーディエンスを虜にしている。

DJとして活動し始めた頃は、保守的なクラブばかりで、受け入れてもらえなかったらしい。一方で1993年自身のレーベル「Torema Records」を設立。幅広いジャンルをミックスし、革新的なサウンドは少しずつ浸透していった。このToremaでの活動が日本のテクノシーンを開拓させ、世界的にも高い評価を獲得していった。

DJ HITO

1990年からドイツ・ベルリンを拠点にDJとして活動している。HITOといったらやはり、ミニマル・テクノの帝王リッチー・ホウティンとの{ENTER}であろう。2009年にリッチーと出会い、日本酒のプロジェクトがきっかけで、イビザ島でのリッチーのBIGイベント ENTER SAKE のレジデントDJに。壮大なスケールのパフォーマンスでオーディエンスを魅了し、虜にしていった。そして2017年には自身主催のパーティー「HITO presents OTO」を立ち上げ、世界各国のクラブにて開催している。

100%バイナルでプレイするHITO。ディープテクノをプレイするクールさと、アナログからくる感情的な音楽の情熱が混じり合っている。

トレードマークである、漆黒の和装から弾き出す凛とした音楽への姿勢は、昔から変わることはない。最初は生きる糧として始めたDJ。一筋でやってきたプライドと、音楽によって自分の内側に感じるものを表現し伝えるという信念が、世界でも圧倒的な存在感であるHITOの基盤になっている。

Tomoki Tamura

2004年からイギリス・ロンドンを拠点にDJ/プロデューサーとして、現在は拠点をベルリンにうつして活動している。ロンドンでは自身のレーベルパーティー 「Holic 」を開始。主要クラブでその名を轟かせていった。ロンドンのアンダーグラウンドシーンにおいて欠かせない存在となっていく。2012年にはレーベル 「Holic Trax」 を指導する。

レーベルメイトのTuccilloとユニット Doublet を結成。レコードオンリーで自分達の音源をリリース。”101、202″ は即完売になるほどの高い支持を得ている。

*日本では先述したDJ HITO と2021年、クロストーキョー Vol.6 に登場。DJプレイや2人のDJ活動についてのディスカッションを配信。

https://www.womb.co.jp/news/2021/06/14/clubberia-x-womb_crosstokyovol6/

音楽への感じ方は人それぞれ違い、その感情を共感できる人が集まり成長する。流行に流されず自分がいいと思った音楽を続けるというスタンス。個性的な音を追求し続けるアーティストをピックアップ。独自路線を突き進み、かつ品質の高いリリースはアンダーグラウンド界でも高い評価を受けている。

Junki Inoue

2012年からイギリス・ロンドンを拠点にDJ/レーベルオーナーとして活動している。ミニマル・テクノやディープ・ハウスを中心にプレイ。ロンドンのブッキング・エージェンシー Toi Toi Musik にレジデントDJとして、現在はオランダのエージェンシー Meanwhile に所属し、世界中で活躍している。2021年にはリイシュー専門レーベル SAISEI 」を始動する。その名の通り何かを復元する”再生”、レコードを使うを意味している。自身のルーツである日本の貴重な音源をレコードでリリースしている。

     「SAISEI」の第一弾リリース作 Kino-Moderno 「Into The Future EP」

日本の素晴らしい音源を再生することで、過去の貴重な財産を未来につなげ、新しいサウンドを生み出す。その取り組みは広まりつつあり今後も楽しみである。DJとしては透明感からのグルーヴ、感覚をトリップさせるサウンドを繰り広げている。自身のスタイルを大事にしつつ、臨機応変に対応するフレキシビリティは世界で注目される存在となっている。

まとめ

いかがだっただろうか。

世界で活躍するアーティストと同じく柔軟なスタンスと強い信念、そして常にアンテナを張り巡らせる努力。その情熱が素晴らしい音源を作り出し、日本でのみならず、世界中のオーディエンスを唸らせているのである。また、今後も日本から世界へと飛躍していくアーティストが出てくることを願う。

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